思い入れのある現場は、ぜんぶ。
どの現場も死ぬまで忘れないと思います。
どの現場も死ぬまで忘れないと思います。

[ プロフィール ]
工事部
太田 正紀
前職はテレビ制作のアシスタントディレクター、靴の販売員、とちょっと異色の2015年中途入社。
「城」と「庭園」と「神社仏閣」をこよなく愛し、
税金を納めるために日々働く‥‥と言いつつ、
後輩への面倒見のよさはしっかりと垣間見える話しぶりです。
- ――
- 今日はよろしくお願いいたします。
- 太田
- (額の汗をぬぐいながら落ち着かない様子)
- ――
- あ、緊張していますか?
- 太田
- そうなんです。
なにを話したらいいのか‥‥。 - ――
- 大丈夫です。
みなさん、自由すぎるくらい
自由にお答えいただいているので。 - 太田
- じゃあ、頑張ってみます。
よろしくお願いいたします。 - ――
- まず初めに、
これまでのご経歴を教えてください。 - 太田
- 私は前職も、その前も、
建設業界とは
全く関係ない世界にいたんですよ。 - ――
- どういったお仕事を?
- 太田
- 最初は放送業界。
テレビ制作の現場で、
アシスタントディレクターをしていました。 - ――
- テレビ制作!
まったく異なる業界ですね。
そもそもどうしてその仕事を? - 太田
- うーん‥‥なんというか‥‥。
- ――
- あ、言いたくなければ大丈夫ですので。
- 太田
- 芸能人と結婚できるんじゃないかと思って‥‥。
- ――
- 意外と不純な動機でしたね。
- 太田
- いや、本当に(笑)。
でもテレビ業界って、
ものすごく忙しいんですよ。 - ――
- 寝るヒマもないって聞きました。
- 太田
- そうそう。
それで体調を
崩しちゃったんですよね。
もともと目的はテレビ制作じゃなくて、
芸能人と結婚することだったので、
体調崩すくらいなら、
もういいかなって気持ちになって‥‥。 - ――
- 転職した、と。
- 太田
- はい。
で、次が販売職の仕事。
靴の小売店で、
接客を行っていました。 - ――
- まったく別の職種なんですね。
- 太田
- コミュニケーションの
スキルを磨きたくて。
そうすればモテるかなって‥‥。 - ――
- その姿勢は
驚くほど一貫していますね(笑)。 - 太田
- そうかもしれません(笑)。
で、ぼくには接客が向いてたみたいで。
トントン拍子に
社内で出世しちゃったんですよ。 - ――
- はい。
- 太田
- そうしたら、
先が見えちゃった気がして、
つまんなくなった。 - ――
- 先が見えた?
- 太田
- マネジメントする立場になって、
ある程度会社全体のことも把握して。
「だいたいわかった」って思うと、
仕事に対するワクワク感が
少なくなっていったんですよね。 - ――
- そんな中、どうして今の業界に?
- 太田
- 「職人の世界ってかっこいいなぁ」
という気持ちで興味を持ったのが入口ですね。
追求しても終わりがないようなことを
やってみたいと思っていました。 - ――
- 前職では先が見えちゃったから、
逆に追求し続ける仕事がしたくなった。 - 太田
- そういうことです。
でも、今の仕事は職人の仕事じゃなくて、
施工管理なんですけどね。
入ってみるまで
違いもあまりわからずにいました(笑) - ――
- 様々な仕事を経験してみて、
今の仕事の面白さってどんなところですか? - 太田
- ええー。
なんだろう。どうでしょうね?
‥‥なぜ働いているんだろう? - ――
- 大きなテーマになってきましたね(笑)。
太田さんにとって、「働く」とは。 - 太田
- 働くとは‥‥。
命のある限り、
やらねばならないことじゃないですか。 - ――
- そのこころは?
- 太田
- 生きているだけで
お金がかかりますからね。
税金を払うためには働かなくては。 - ――
- 期待していた答えとはちょっと違いました。
- 太田
- それくらいでいいんだと思います(笑)。
- ――
- 冷静なんですね。
太田さんをアツくさせるものって
なにかあったりするんですか? - 太田
- ‥‥城、ですかね。
城は好きです。ものすごく。 - ――
- 今、今日いちばんの表情になりました(笑)。
たとえば、どういったところのお城が? - 太田
- たとえば、富士山って、
美しくて、厳かで、素晴らしいでしょ?
それと同じことを、
姫路城とかにも感じるわけですよ。
近くでみるのもいいけど、
新幹線から見るのもまた最高。
あの美しさはちょっと言い表せないですよねぇ。 - ――
- え、ええ。
- 太田
- 庭園なんかも好きです。
昔、恋人と花見をするために
文京区の六義園に行ったのですが、
それから美しさに魅せられてしまって。
以降、さまざまな庭園巡りをしています。
いいですよねぇ。カッコいいですよねぇ。
よくできてんなー、すごいなーって。 - ――
- ‥‥。
- 太田
- あとは神社や寺もいいですね。
カッコいいです。
湯島とか根津とかあのあたりの神社は
行き尽しましたよ。
そういうのを見ているときがね、
ぼくはいちばん楽しくて。 - ――
- よくわかりました。
ええと、仕事の話に
戻ってもいいですか?(笑) - 太田
- 大丈夫です。
すみません、つい(笑) - ――
- 意外な一面でした(笑)
- 太田
- そうですね、仕事でいえば、
建物が完成したときの喜びはやはり‥‥
ハンパないですね。 - ――
- ハンパないですか。
- 太田
- うん。1つの現場あたり、
施工管理は3,4人なので、
ひとりの裁量権って大きいんですよ。
その中で頑張ってやっていくので、
おわった時はやっぱりうれしい。 - ――
- これまでで
とくに思い入れのある現場って
ありますか? - 太田
- ぜんぶ!すべて、ですよ!
どの現場も、死ぬまで
忘れることはないと思います。 - ――
- 太田さんが現場において
大切にしていることって、なんですか? - 太田
- 今は、後輩の育成に
力を入れています。 - ――
- そうなんですね。
- 太田
- 同じ現場に、1年目の子がいるので。
今年TAKEMURAには
4人の新入社員が入ってきたのですが、
みんな工事部の中で
バラバラの現場に配属されているんです。 - ――
- うちの新人の方が優秀だぞ!
って競い合ったり? - 太田
- まさに、そういうことです。
- ――
- 「我が子がいちばんかわいい」
みたいな気持ちはやはりあるんですね。 - 太田
- みんな思っているんじゃないですかね。
月1回の業務報告会でも、
他の現場の新入社員だけが
褒められていると
本気で悔しいですもんね。 - ――
- 本気で。
- 太田
- そう。
「もっとうちのやつを褒めてやってくれよ!」
って、思います。 - ――
- 後輩に指導するときは、
どんなことを意識していますか? - 太田
- ちょっといじめて、
サッとフォローすることですかね。 - ――
- いじめちゃうんですか。
- 太田
- いじめるというか、
あえて最初は放置してみる。
自分で考えて動いてみることを
学んでほしいと思うんですよ。 - ――
- ああ、そういうことですね。
- 太田
- 自分でやってみて、できないときには
ちゃんと僕らがフォローする。
まずは主体的に動くことが、
成長の秘訣なんだと思います。 - ――
- 太田さんご自身は、
今後どんなことを目指していますか? - 太田
- 後輩や職人の方々に対して、
「もっといい」を追求し続けたいです。 - ――
- どういうことでしょう?
- 太田
- ぼくが前職を辞めたのって、
先が見えちゃったからって言いましたよね。
今の仕事は、まだまだ先が見えなくて、
学ばなきゃいけないことだらけなんです。 - ――
- なるほど。
- 太田
- 材料や手法は日々進化するし、
経験を積んだ分だけ、
仕事の質は確実に変わる。 - ――
- そうですよね。
- 太田
- だから、今後輩に教えていることや、
職人さんに指示していることでも、
もっともっといいやり方が
あるはずだって思うんです。
その「もっといい」を
さらに追及していきたいと思うんですよね。
自分のわかっている範囲を越えて、
色んな可能性を追い求め続けたいです。 - ――
- やった分だけ、
仕事の質も変わるというか。 - 太田
- そうですね。
そして、後輩や職人の方だけじゃなく、
さらにお客さまのためにも、
という気持ちで仕事をしていきたいと思います。 - ――
- なるほど。
よくわかりました。 - 太田
- よかったです。
ちゃんと語ることができて。 - ――
- お城の話をしているときが、
たぶん、いちばん輝いていました(笑)。 - 太田
- お城はいいですよ(笑)。
- ――
- あ、また(笑)!
その素敵な笑顔でこれからも頑張ってください。
ありがとうございました!
トントン拍子に出世したら、
先が見えてつまんなくなっちゃったんです。
先が見えてつまんなくなっちゃったんです。
自分が関わった現場はどれも、
死ぬまで忘れることがないと思います。
死ぬまで忘れることがないと思います。
後輩ははじめにあえて放置する。
自分で考えて学んでほしいから。
自分で考えて学んでほしいから。
今の仕事はまだまだ先が見えなくて、
学ばなきゃいけないことだらけなのがいい。
学ばなきゃいけないことだらけなのがいい。